ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる

65件の記録
- らこりさ@rakorisa2025年7月25日読み終わったケアの視点による物語分析で、『フランケンシュタイン』を中心に、さまざまな作品を、戦争、親ガチャ、マンスプレイニング、レイシズム、インターセクショナリティ、愛、エコロジーなどのテーマから論じている。『虎に翼』や『バービー』、『哀れなるものたち』など、観たことのある作品もいくつか取り上げられており、新しい見方に出会うことができた。 『哀れなるものたち』を観た際に、この作品が『フランケンシュタイン』の作者であるメアリー・シェリーとその母メアリー・ウルストンクラフト、父のウィリアム・ゴードンを意識した内容になっていると知った。それから『フランケンシュタイン』をいつか読んでみようと思いつつそのままになっていたが、この本を読んだことでさまざまな視点から物語を捉えられるかもしれない。近いうちに挑戦してみたい。 世間に流布している大きな物語だけでなく、埋もれがちな小さな物語に目を向けることの大切さを知れた。 また、周りの人や自分自身へのケアも、自分をケアしてくれている人のことも、もっと大切にしていきたいと思った。
- amy@note_15812025年7月25日読み終わった感想ジェンダーヒロアカが取り上げられているとのことで読んだ 小川公代さん、もちろんお仕事のためもあると思うが映画や文学だけではなくて「鬼滅の刃」や「僕らのヒーローアカデミア」とか少年漫画も論考に入れられるぐらい読み込んでるのすごいな…。射程範囲の広さよ…数巻だけじゃなくてかなりの巻数なんだけどな… そして最後の10章「アンチ・ヒーロー」で「僕らのヒーローアカデミア」からトガヒミコと麗日お茶子の関係性に着目していて、これは二人のことが好きな人にはぜひ読んでほしいと思ってしまった 「僕らのヒーローアカデミア」の内容をすべて肯定するわけではないけれど、トガヒミコの帰結が麗日お茶子との友情からなる対話に帰結したところはとても好きなので、そのことをこうして論考として残してくれることはとてもうれしかったし、読んでいてトガヒミコの今までを考えると泣けてきてしょうがなかった 新書を読んで泣くというのは初めての経験かもしれない。 そして『虎に翼』!放送以降、小川さんのご著書で毎回見る気がするな…。でもそれだけ『ケア』や『ジェンダー』をはじめ、その社会で包摂されるべきマイノリティたちの話が展開できる作品だというわけでもある 私は『虎に翼』でケアの担い手であった花江ちゃんが大好きなので、ここでも取り上げられていてうれしい 主体的にケアを施すこととケアの役割を強いられることはまるで違うし、あたかも女性はケアが得意で好きでやっていることだといまだに思われることがある 様々な作品のなかにある『ケア』はどのように行われてきたか、それにより今を生きる私たちはこの社会を生きていくために不可欠な『ケア』をどう取り扱っていけばいいのか そのヒントがたくさん盛り込まれている本だった
- りなっこ@rinakko2025年7月7日読み終わった『フランケンシュタイン』を取っ掛かりに、ケアの観点から様々な物語が読み解かれる。映画『バービー』や『バグダードのフランケンシュタイン』『鬼滅の刃』『オーランドー』『虎に翼』…と作品も多岐にわたり、そこで繋がるのかという驚きも楽しい 見落とされ軽視されてきた〈小さな物語〉が、10のテーマ(戦争、論破と対話、マンスプ…)の中で取り上げられる。なぜケアは必要で、非暴力の可能性を探求しなければならないのか。自分をも含めた人の “傷つきやすさ” とどう向き合っていけばいいか…という課題も響いた。
- さおり@prn9909082025年7月6日読み終わったきっとどの物語にも「ケア」は描かれていてこれまではそこに光が当てられていなかっただけなんだと思う.そしてその物語のケアが実を結ばれたと思えるときにわたしはジーンとしたりなにか温かいものがこみあげてくるのを感じていたんだろうなと思ったしそれが(物語のなかではあえて)無視されたりもしくは裏切られたりしたときに、悲しくなったり寂しさを覚えていたりしたんだろうと思う.とりあげられているどの物語についての視点もその作品への敬意に満ちていて「伝えたい」という気持ちが伝わってきて、とてもアツい本だった.
- ゆう@suisuiu2025年6月5日気になる卒論本15年くらい前、苫小牧行きのフェリーで卒論のために『フランケンシュタイン』を読んでいた。飛行機に乗れたらよかったけどお金がなかったので、一番やすい等級の船底の客席。海をダイレクトに感じるとてつもない揺れ。ダニの皆さんがいっぱい住んでそうな毛布。修行中のような枕。なんでこんなにお金がないんだろうと情けない気持ちになりながら、でも「ひとりで(それも年数回ずつ)フェリーに乗る女」ってきっといつまでも思い出&ネタになるとどこかしぶとく感じてもいた。だってなんだか演歌みたい。その頃の私は演歌番組のアシスタントディレクターのアルバイトをしていた。うねる声、くねる身体。 それで『フランケンシュタイン』。ホモソーシャルとかミソジニー、フェミニズムをテーマに書いた。断片的な知識すぎる、学部生だからこそののびのび感のあった卒論だろうと思うけど、なんにせよなんだか元気でいいテーマだ。それでここ数年なんとなくフランケンシュタイン的なものがまた目につくようになっている気がして、だからこの本はやっぱり気になる。でも昨日夫とこの物語の舞台について話した時、堂々と「ロンドンでしょ」とか言ったけどジュネーブだった。そうだ。 一番好きなシーンは、怪物がさまよっていた森の中でそこに棲む植物や生きもの、川の流れとたわむれ、命のかがやきみたいなものとダンスするシーン。でもこれも妄想かもしれない。
- りら@AnneLilas2025年5月25日気になるふと、長年積読してる中公新書の廣野由美子『批評理論入門』も副題が「『フランケンシュタイン』解剖講義」だから思い切り被ってるな…と。 どちらも気になりつつも、そして色々な面で重要な作品であることは重々承知しているけれども、昔一読しただけの『フランケンシュタイン』にそこまで思い入れないしねえ、とぐぬぬとなっている。