
冷やしトマト
@tomato_hiehie
2025年6月5日

ケアの倫理
岡野八代
読み終わった
子育て, 介護, 不可避の依存関係のケアを担うことの意義とは。家庭内の女性に押し付けられてきた歴史背景から《ケアの倫理》を紐解いていく。個人ではなく, 関係性の中に生きるということ。社会を別軸から見るための手引きになる一冊。



冷やしトマト
@tomato_hiehie
《ケアの倫理》アメリカの心理学者キャロル・ギリガンに提唱された言葉。本著では彼女の著書である『もうひとつの声』を巡る論争を中心として紹介していく形式になっている。ケアが女性によって担われてきたこと, 二次的依存による構造が彼女たちを社会から疎外してきたこと, フェミニズムの文脈とケアは密接に関わっていることが分かる。

冷やしトマト
@tomato_hiehie
私たちは自律した社会人になるべくして生きてきた。しかし, 自律している状態は自然なのだろうか。依存から脱却したそれは, その連鎖と無関係なのか。ケアには脆弱性がある。お互いに疲労を伴う関係性だからだ。社会はその存在を前提としながらも, 無視し続けているのかもしれない。私はどうなのだろう…

冷やしトマト
@tomato_hiehie
副題にも含まれている通り, フェミニズムに関する話題が多くを占める。ただ, それは《ケア》を単なる男女二元論に押し戻すのではなく, 家庭という最も身近な現場の解像度をあげるための文脈になっている。ストレートに実践的な内容を論じるものよりも先に手に取ることで, より体系的に《ケア》の概念に触れることができる入門書。