高尾清貴 "僕には鳥の言葉がわかる" 2025年6月5日

高尾清貴
高尾清貴
@kiyotakao
2025年6月5日
僕には鳥の言葉がわかる
科学の彩りを感じる良書だった。 素朴な生活者の感覚としては、動物にだって言葉はあって、彼らも会話してるんじゃないの?って思っていたけれど、動物行動学とか、言語学的には、あれは「内的な感情の表現」と考えられていたみたい。 つまり「あぶない!」とか「えさだー!」とかを表しているだけで、言語とは呼べない、と。 しかし、著書の鈴木さんは、シジュウカラについての膨大な観察をもとに、言語があるはずだ、という仮説を得て、独創的な実験デザインをもとに、実験を繰り返すことによって、「外的な対象物を指示し、聞き手にそのイメージを想起させることを明らか」にしたのだった。 つまり、シジュウカラにも「言語」がある、ことを鮮やかに示した。 科学エッセイはいくつかあれど、ここまで、論文になる手前の、「仮説」が形成される段階から描き、さらに、「実験項」までを丁寧に記してくれる本はなかなかない。 読んでいて、とてもワクワクさせられる本だった。科学っていいよなー、やはり。 しかし、出てくるジャーナルがPNAS、nature communications とは、すごすぎ…
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