むぐらばな "若きウタリに" 2025年6月6日

若きウタリに
若きウタリに
バチェラー八重子
「言葉果つるところ」(対談集)にて、石牟礼道子さん鶴見和子さんも三十一文字について語っていらしたんだけど……。なんだろう。短歌って、そうじゃないのもけっこうあるし戦争責任ものっそ重いけど、「うた」なんだよね。風が吹く、山あいのくさわらが揺れる、合間に流れの音が聞こえる。そういうささやきあいに加わり得るものなんだと思う。 この方の三十一文字のうしろには、(たぶんだけど)アイヌ民族のひとりとして、そういう山や川や野原や湖沼地帯で、いろんないのちの(個体としてもつながり(ホロビオント)としても歌い交わして「いっしょにいた」昔がとてもよくみえる。そして呼びかけているんだよ、同胞に。和人として、すごく、痛い。
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