
nogi
@mitsu_read
2025年6月7日

信仰
村田沙耶香
読み終わった
寝る前に少し、と思ったら一気に読み終えていた
村田さんの小説を読むのはこれが初めてで、わたしの中ではチャレンジだったので、もしかしたら合わないかも、と思っていたけど、まったくそんなことはなかった
いつも見てる世界を、いつも自分が当たり前に持ってると思い込んでいる感情を、別の視線で見たらこうなるのかというような、驚きと、共感と、腑に落ちる感覚があって不思議と心地よかった
小説だけだと思っていたのでエッセイも私小説のような、同じ世界観の中にあるような感覚で読んだ
というか、おなじ地平線のうえにある世界なんだと、わたしのなかでは思えた
p108
〝 私はとても愚かなので、そういう、なんとなく良さそうで気持ちがいいものに、すぐに呑み込まれてしまう。だから、「自分にとって気持ちがいい多様性」が怖い。「自分にとって気持ちが悪い多様性」が何なのか、ちゃんと自分の中で克明に言語化されて辿り着くまで、その言葉を使って快楽に浸るのが怖い。そして、自分にとって都合が悪く、絶望的に気持ちが悪い「多様性」のこともきちんと考えられるようになるまで、その言葉を使う権利は自分にはない、とどこかで思っている。〃




