
ハンク
@lardenkaizer
2025年6月8日

冬の夜ひとりの旅人が
イタロ・カルヴィーノ,
脇功
かつて読んだ
読書メモ
感想
読書日記
小説
海外文学
文体のない作家として名高いイタロ・カルヴィーノだが、本作しか読んだことはない。けれども本作のみで、文体のない作家たる所以を理解することになる。なにしろ、この一冊の中に書きだしだけの10冊の全く異なる小説(その断片)が盛り込まれているのだ。
この斬新な構成、そして破天荒な書きっぷりには脱帽した。曲芸的で、尻尾を掴ませない、ケレン味がたっぷりの作品。好みが分かれるところだろうが、個人的には既視感のない世界を小説には求めたいと思っているタイプなので、アタリを引いたなという感触だった。
未読ではあるが、カルヴィーノはSFも書いている様子。そちらもぜひチェックしてみたい。
