犬山俊之 "やぶれかぶれ青春記・大阪万博..." 2025年6月8日

やぶれかぶれ青春記・大阪万博奮闘記
文庫版解説が公開されているのを教えていただき、読んでみたところ、引き込まれ、すぐに電子書籍で購入。(前半の感想)  * 戦後20年経った1960年代後半に書かれたものなのに、「今」につながる内容ばかりで驚かされます。 最近はネット上だけでなく政治家にも特攻隊を賛美する人がいますが、本書には「英雄茶番劇」という章で、予科練への「志願者」が「強制割り当て」で決められるデタラメが記されています。「志願者」は成績優秀な者ではなく、必ず「落ちこぼれ」の中から「選ばれ」、札付きの生徒は一夜にして「英雄」に仕立て上げられる、と。こんな事態を目にしてきた人たちにとっては特攻隊の賛美なんて考えられないことだったはず。 著者と同世代の沖縄のひめゆり部隊についても書かれているし、空襲に備え防火用の空地を作るために民家が有無をいわさず取り壊されるところは、現在のパレスチナのことが思い起こされます。 権力の好き勝手によって、人々が殺されてきた歴史を我々は学んだはずなのに、と思わずにはいられません。→
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