
りなっこ
@rinakko
2025年6月9日

初子さん
赤染晶子
読み終わった
3作品中、表題作と「うつつ・うつら」は再読。笑って読んでいたのにいつの間にか怖いところ(落ちたら抜け出せない虚ろのような)を覗かされるのが、赤染作品だなぁ…とあらためてしみじみ。
そこにあるのかもわからない何かに届きたくて、やっぱり欲しい…と高いところに手を伸ばす。健気でひたむきなだけなのに、その姿は時に滑稽で時に哀しい。
そんな風にしか生きられない主人公たちは、頼もしくはないけれど逞しくて、人は簡単には絶望出来ないものだということを思い出させてくれる。希望という名の病がそうはさせてくれない、と。



