ちょこれーと* "小説言の葉の庭" 2025年6月11日

小説言の葉の庭
『辞めたってなんの当ても夢もオレにはないのだ。』 『うらやましいのだ、オレは。』 秋月孝雄の兄 翔太のパートより。 夢があってそれに向かって情熱を傾けられる人ってすごい。尊敬する。 それと同時にどうしても比べて劣等感を覚えて嫉妬してしまう。 光が強くなるほどに影が濃くなるとでも言うかのように。 もっと明るいこと考えようよって思っても、どうしても。こういった影側に配置された側の人間にものすごく共感してしまう。 『十代だろうが二十代だろうが、あるいは五十代になってからだろうが、きっと生活は区切りなく続いていき、夢だの目標だのもつねに形を変えつつ傍らに在り続けるのだろう。』 形は違えど自分の傍らに在るもの。私にも在るのだろうか。在るといいな、そう、強く思う。 本編を観るだけでは計り知れない、周りを取り巻く人たちの行動原理。 それぞれの人物の背景や心情を見ることができて、その上その人の立場に自分を置き換えることができる。 やっぱり『言の葉の庭』って、すごい作品だと改めて思った。
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