
敗荷
@sibue_fjodor_
2025年6月12日
父と子
ツルゲーネフ
読み終わった
ふだん私は共感ベースで小説を読むことはないのだが、この本ではどの人物たちにもいくらか感情移入してしまった。なぜかといえばおそらく、タイトルにあるような〈男〉の論理に基づく世代間対立にとどまらず、社会制度や家族制度における何がしかの地位=ポジションを引き受けた人間同士のさまざまな関係性を、ツルゲーネフは、ロシアの地に根ざすリジッド構造であると見通し、それでもなお、写実表現によって普遍的な情動の綾へと昇華することを厭わなかったからであろう。
