
綿
@shelf_soya
2025年6月14日

多聞さんのおかしなともだち 下(2)
トイ・ヨウ
読み終えた後に考える
『"少女神"第9号』やレベッカ・ブラウンの小説が登場すると知って興味を持った作品だったのだけれど、物語の中にどのように差し込まれているか、という作品の取り扱い方はもちろん、自分の人生に大きく関わる、自分が好きな人たちが喜ぶような選択を知っているけれど、それが自分が本当に選びとりたいものなのか決めかねている主人公の様子や、「多聞のともだち」との度々聞き返したり、意図を考え込んでしまうようななめらかでない会話、多くの人には見えない存在が見え、そうしたものらと人前でも話すことを厭わず、魔女のサバトにも平気で参加できるパワーを持つのに主人公に過剰な干渉をしない多聞さんの存在感といった要素が全体を通して心地よく、わたしは内日さんではないのだけれど、いまこのような作品が読めることのうれしさをじわじわと噛み締めている。
絵の線の少し掠れた感じも好き。また読み返す。



