JUMPEI AMANO "境界なきフェミニズム" 2025年6月14日

JUMPEI AMANO
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年6月14日
境界なきフェミニズム
境界なきフェミニズム
チャンドラー・タルパデー・モーハンティー,
堀田碧
第3章はミニー・ブルース・プラットの自伝風論文「アイデンティティ:肌の色、血、心」を発展的に読み解いていく。タイトル通り〈「ホーム」っていったい何だ?〉という問題と共に。 〈さまざまな「会話の相手」に連続性をもって応える一貫した自己などありえない。歴史が介入する。[...]それぞれのふれあいにおける声、音、見たこと、聞いたこと、「会話の相手」が背負う各自の歴史。〉(137頁) 〈変化は境界を越えることと関わる。その境界は、白人のアイデンティティの周りに、慎重で頑強に、まったく目に見えないようにはりめぐらされている。変化とは、こうした境界を踏み越えることなのだ。〉(142頁) 〈語ったり行動を起こしたりするのに安全な場所を探すことと、安全な場所に支払う対価を自覚し、その根拠となる排除や拒絶や無知に気づくことは、鋭く対立する。〉(146-147頁) 〈アイデンティティや立場をもたないと主張すること自体が特権であり、現実の歴史的、社会的関係のなかでその人が果たすべき責任を拒否することだ。それぞれの立場の存在やその重要性を否定し、個人の歴史を認めず、それと無縁でいられると主張することなのだ。〉(148頁) 〈「ホーム」のような安全な別の場所を想定して求めることは、「統一性」の定義を知れば、困難になる。政治的にも個々人のあいだでも、「統一性」は、断片から成り立ち、闘って選びとるもので、ゆえに不安定だからである。統一性は「同一性」にもとづくものではないし、完全な一致などもない。ただ、受け身ではない行為主体があるのみなのだ。〉(149-150頁)
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