note103 "夏葉社日記" 2025年6月15日

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2025年6月15日
夏葉社日記
ついに終わってしまった。けっして長くはないのに読みどころたっぷり。日記のようだけどジュブナイルのようでもありノンフィクションのようでもあり魅力的な書店カタログのようでもあり。 何より、一貫して島田潤一郎さんという先輩出版人のことが描かれ続けていて、読んでいるうちに当たり前のように島田さんのことを好きになってしまう。テレビドラマや小説に登場するキャラクターに惹かれて、ずっとその人の動向が気になってしまうような感じ。村上春樹の『海辺のカフカ』を読みながら、話の筋から離れてナカタさんや星野青年に心奪われてしまったときのことを思い出す。 余談ながら、最後の方で島田さんの尊敬する人としてアルテスパブリッシングの鈴木さんの名前が出ていて驚いた。自分も以前は編集の仕事をしていたが、自分はプロではない、プロというのは鈴木さんみたいな人のことだ、とよく思っていたから。 本書は島田さんの『長い読書』の一編をもって完結するということで、たまたま昨日『長い読書』を買ったのですぐにでも行こうと思えば行けるが、まだあんまり完結させたくないのと、その前から並行して読んでいるやはり島田さんの『あしたから出版社』(ちくま文庫)が今かなり良いところなので、それが落ち着いてから読むことにしたい。
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