
エマ子
@emma-0508
2025年6月16日

世界99 下
村田沙耶香
読み終わった
読み終わってしまった。本当に面白かった。
誰かと語りたくなる作品。
上巻でこれでもかとあった性描写は下巻で目に見えて減った。ホッとすると同時に、ただ見えなくなっただけなのかもしれないと薄寒くもなる。
加害者と被害者、支配する側とされる側、差別する側とされる側、あっけなくその立場が入れ替わることが常に描かれ、空子でさえピョールを通してかつての明人の気持ちをありありと再現してしまう。その危うさ、不安定さは決して他人事じゃないなと思う。
「感動って安全な場所にいる人間の娯楽」「孤独は人間を単純にする」などグサグサ刺しまくる言葉が泉のように湧いていて、それが快感でなんだかんだ楽しく読んでしまったことが恐ろしい。音ちゃん、下巻でも飛ばしてた。
初村田沙耶香作品がこの作品だったので、色々覚悟ができたような気になっている。これからも心して彼女の作品を読みたい。








