本屋lighthouse "大都会の愛し方" 2025年6月16日

大都会の愛し方
大都会の愛し方
オ・ヨンア,
パク・サンヨン
原作未読で映画から。異性愛者のジェヒはとりあえずハッピーエンドと言ってよいだろうけど、ゲイのフンスの現実は変わっていない。変わったのは当人たちの意識や生き方であり、社会構造は変わっていない。そういうことを画面の中に残す形で描いていたように思える。交番でジェヒの説明とフンスのカミングアウトに賛同した警官らは酔っていた(その前にサッカーの試合を観るのに熱中している様子が挟まれる)。ゲイが主人公の映画を観たフンスの母の、その後は描かれない。あるいは、ほんとうに目を向けなければならないのは「描かれなかったこと」かもしれない。誰が、なにが、描かれなかったのか。
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