小学校の高学年から中学を卒業するくらいまで毎月のあたまになると祖父に電話して東戸塚で落ち合って本を五冊とか六冊とかひと月でちょうど読みきれるくらいの量を買ってもらうことが習慣になって、一番よく行ったのが駅前の名前は覚えてない書店で、駅から少し歩いたところにある紀伊國屋とかブックオフに行くこともあった。高校にあがるとじぶんのバイト代で本を買うようになったから祖父と会う機会は減ったけど、ひとりでゆっくり本を読む時間みたいなものにあこがれる気持ちも、しかし真剣に欲する気持ちともがあり、両親には今日バイトと嘘をついて夜のチェーンのカフェとかで本をひらいて数時間やりすごすみたいなことがふえて、書店からほど近い、駅前のバスターミナルに面したマクドナルドもそうした出先のひとつだった。今日仕事で数年ぶりに東戸塚に降りたらマクドナルドはまだあったけど駅前の書店の方に目を向けると藤田ニコルが見えて、吉野家、と思って、少し先の紀伊國屋まであしをのばして買った。雑誌コードの読み込みはできないっぽかったので書名で検索して一番上に出てきたやつに現物の写真を添えて。