かえで 年200冊読む元理系 "アルプス席の母" 2025年3月24日

アルプス席の母
高校野球を母親の視点から描いた珍しい作品。高校球児たちのキツすぎる練習風景やチームメイトとのレギュラー争い、因縁のライバルとの真剣勝負。 それらの描写はそこそこに、強豪校の母親としての役割と尽きることのない不満、子どもへの愛情、父母会コミュニティで空気を読んだ行動をとらないといけない煩わしさ。 ここに焦点を当てたスポーツ小説ってなかなかないと思う。 私も6年間野球をしていましたが、子どもの頃には絶対に想像できない不満ってものが、うちの母親にはあったのかもと想像してしまいました。 何かに全力で打ち込むとき、自分のことを一番に考えてくれる人がいること。 理不尽なことにも耐えて頑張るとき、『この子(この人)のためなら』と思える人がいること。 自分のことを大切に思ってくれる人がいるのは幸せなことですが、大切な人のために自分が行動するほうが幸せの絶対値は大きいんですよね〜。 心に染みる小説体験をしたいなら間違いなしの作品です!
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