
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年6月19日

〈病と戦後〉の歴史社会学
土屋敦,
坂田勝彦
まだ読んでる
昼休み
第5章の宇田和子さんは『なぜ公害は続くのか』という論集でお名前をお見かけしたことがある。ので先に読む。
今回の論考では安中公害の指曲がり症が公害被害とみなされなかった要因を問うている。重要なことが書かれていると思う。
〈重篤例だけが公害病としてカテゴリー化され、その発生地と患者が認定されることは、一見被害を承認する前進のようで、裾野に広がる健康上の問題を軽視または否定する後退でもある。つまり、解決過程のなかに被害の放置がありうる。〉(151頁)
〈安中公害はイタイイタイ病の顕在化があってこそ社会問題になったが、イタイイタイ病を基準にして問題を捉えることで、病の経験が不可視化されたといえる。/[...]被害と認識されようとされまいと、安中に指曲がり症が存在してきたことは事実である。それを既存のカテゴリーに当てはめようとするのではなく、そのまま書くことはできないか。〉(171-172頁)
