
saki
@53hon_to
2025年6月19日

落下する夕方
江國香織
読み終わった
夏を感じると江國香織が読みたくなる。むわりと暑い風に混ざってプールの匂いがしたので、この本を手に取った。
8年同棲した相手が別れを告げ、出て行った。そしたら入れ替わるように、彼が恋心を抱く女がやってきた。これだけでも普通ではないと瞬時にわかるのに、なぜか絶妙なバランスを保って三角関係が成り立つし、それを眺めているこちらもイライラしたりしない、という不思議。
自由奔放な華子に呆れる一方で、内心はものすごく惹きつけられていた……というか、羨ましいって気持ちがむくむく膨らんでいた。これは嫉妬。相当な嫉妬だね。
江國さんの情景描写が好きなのだけど、この物語は雨がとくに美しかった。



