落下する夕方

37件の記録
- saki@53hon_to2025年6月19日読み終わった夏を感じると江國香織が読みたくなる。むわりと暑い風に混ざってプールの匂いがしたので、この本を手に取った。 8年同棲した相手が別れを告げ、出て行った。そしたら入れ替わるように、彼が恋心を抱く女がやってきた。これだけでも普通ではないと瞬時にわかるのに、なぜか絶妙なバランスを保って三角関係が成り立つし、それを眺めているこちらもイライラしたりしない、という不思議。 自由奔放な華子に呆れる一方で、内心はものすごく惹きつけられていた……というか、羨ましいって気持ちがむくむく膨らんでいた。これは嫉妬。相当な嫉妬だね。 江國さんの情景描写が好きなのだけど、この物語は雨がとくに美しかった。
- ジェンの本棚@dbwls56352025年6月10日読み終わった女性失恋成長002/100 二十歳の頃読んだことのある小説。すごくいい響きであった第一印象が未だ残っていて、せっかくなので日本語版も購入して読んだ。(まだまだ読書スピードは遅い) ただの恋愛の話であったらこれほど数多くの女性読者を感動させることはなかったはず。私はこの本を女性同士が姉妹になってお互いを治癒し合う女性の物語として認識している。 地獄の門は男が開き、被害をこうむった女性達はその中でお互い話し合い、理解し合ってその破綻から抜け出ることが出来た。男達はどうでもいい、好きだったけど今は別に、ってニュアンスがすごく良かった。自分を苦しめる存在から独立して、同じ痛みを持つ人とはまた新しく友達になる。 ✨リカの生き方が好きだった。すごく大人の女性に感じる。愛した人の幸せを必死で祈って、悲しみを言い訳に生活のパターンを崩すこともない。しかも「敵」に言っても過言ではない華子もさえ受け入れる。悲しくてなっても絶対泣かない。その感情まで全て受け入れて、その感情をもたらせた人を憎んだりもしない。むしろコーヒーや紅茶を淹れて出してあげる。
- さとう@satoshio2025年6月2日読み終わったふと思い出した「ラジオの番組がおわるときってね、親しい人が帰っちゃうときのような気がするの。それが好き。私は小さい頃からいつもラジオを聴いていて、親しい人にまだ帰ってほしくないって思っても、やっぱり時間がくると帰っちゃうの。きちんとしてるの、ラジオって」 江國さんと付き合ってみたいと言っていた前の恋人におすすめされて読んだ本。 恋人から聞いたこのラジオの話、当時はラジオに対してこう考えているなんてと思っていたけど、この本からの引用だったのね。知れてよかった。 私も江國さんと付き合いたいし、江國さんがつくりだす華子のような人と付き合いたい。
- lenco@lenco2025年3月10日手離せるけどずっと好き一番最初に『きらきらひかる』を読んで、それからこの本を読んだ。まだ10代だった。きらきらひかるの笑子ちゃんのような半端にもの分かりがいい感じではだめだ。まだ足りない。くるおしいくらい儚くて揺らいでいる華子ちゃんのようでなきゃ、と思った。花柄のワンピースとヘチマコロン。