
川
@river1216
2025年6月19日

フロベールの鸚鵡
ジュリアン・バーンズ,
Julian Barnes,
斎藤昌三
読んでる
とてもたのしい。ベイカーのアップダイク、バーンズのフローベール。ふたりは愛のかたちが似ていて、きっといい友達になっただろうと思う。
「ごく普通の読者、普通だけれども熱心な読者は、忘れっぽくてもいっこうに構わない。さっさとその場を去り、ほかの作家と浮気をしたあと、戻ってきて、またうっとりと魅せられたって差し支えない。その関係に世帯じみたものを持ち込まないでもいいのである。時々しか関係を持たない場合もあるだろうが、そのかわりに関係するときには常に熱烈である。べったりといっしょになって生活している人と人のあいだには、日々の恨みつらみが積みかさなってくるものだが、そんなこともまったくない。うんざりした声で、浴室のバスマットを掛けて干すのを忘れるなとか、トイレに掃除ブラシを使わなければだめじゃないかとか、そういったたぐいのことをフロベールに言いたくなったことなど一度もない。」
