
ハム
@unia
2025年6月19日

水脈を聴く男
マイサラ・アフィーフィー,
ザフラーン・アルカースィミー,
⼭本薫
読み終わった
伏線かと思う多くが回収されずに気づけば物語は終わっていた。
ここから思うのは、回収されない伏線で溢れているのが人生で、むしろそうした伏線になるかどうかのところに人生の厚みや深みが関わっている気がするということ。
本作は「水」との関わりがテーマとして一貫していて、現代の人と自然の関わり方を象徴するようにも読めて、思うところがある。
一見すると宗教や文化を背景とした閉じた共同体の話だけど、広く人間全般に当てはまることとして時代や文化を超えても変わらない人間性が描かれているようにも思えた。
地域性や特殊性を丁寧に描くことによって、逆に人間共通の姿が見えてくる。
そんな魅力を秘めた作品。




