水脈を聴く男

38件の記録
- ハム@unia2025年6月19日読み終わった伏線かと思う多くが回収されずに気づけば物語は終わっていた。 ここから思うのは、回収されない伏線で溢れているのが人生で、むしろそうした伏線になるかどうかのところに人生の厚みや深みが関わっている気がするということ。 本作は「水」との関わりがテーマとして一貫していて、現代の人と自然の関わり方を象徴するようにも読めて、思うところがある。 一見すると宗教や文化を背景とした閉じた共同体の話だけど、広く人間全般に当てはまることとして時代や文化を超えても変わらない人間性が描かれているようにも思えた。 地域性や特殊性を丁寧に描くことによって、逆に人間共通の姿が見えてくる。 そんな魅力を秘めた作品。
- mikechatoran@mikechatoran2025年6月18日読み終わった海外文学以前に旅番組でオマーンのオアシスの街を見たことがある。オマーンは国土の8割近くが砂漠ということなのにオアシスは緑豊かで瑞々しかった。それを支える灌漑施設 ファラジにまつわるお話。過酷な村の暮らしも遠い国の読者からすると幻想的ですらあって楽しく読んだ。それにしても閉鎖的な場所の人の口さがなさは洋の東西も時代も問わないのねえw