本読みたい "猫町" 2025年6月20日

本読みたい
@tpfish
2025年6月20日
猫町
猫町
萩原朔太郎
『猫町』は、詩人・萩原朔太郎が描いた幻想的な小説。少し昔に書かれた作品だけあって、今の感覚では語彙も文体もなかなか難解。でも、それが逆に心地よく、今回、子どもに「読んで」と頼まれて音読してみたところ、読み進めるうちに不思議とクセになるような読書体験になりました。さすがは詩人の文体、といったところ。 ストーリーは練りに練られた展開があるわけではなく、どこか夢の中をさまようような、不安で美しい雰囲気が全体を包んでいます。小学生にはちょっと難しい内容かもしれませんが、ほぼすべてのページに不思議な雰囲気の挿絵が添えられているので、子どもも世界観に引き込まれていた様子でした。 幻想文学や詩的な文体が好きな人にはきっと刺さる作品。雰囲気に身をゆだねて読むのがおすすめです。大人が音読しながら楽しめる、静かで奇妙な“文学体験”が味わえる一冊です。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved