
綿
@shelf_soya
2025年6月20日

言葉と歩く日記
多和田葉子
再読中
言葉の構造、意味について言葉で考えている日記、いま読むのにぴったりで、これだ、という文章を読めたときのよさがある。多和田葉子のこの言葉に対する感覚が好きという気持ちと、川柳を作りたい動機、作っているとき感じる楽しさはかなり近い。
"ほぐすことのできない単語に矛盾する形容詞を付けてみると、脳の一部がほぐれる感覚がある。
温泉の中でこの遊びをして、マッサージ代わりに楽しんだ。閉鎖的開国、国民無視の民主主義、病的健康、敗け組の勝利、窮屈な自由、できるダメ人間、年とった若者、無駄なお金のかかる節約、贅沢な貧しさ、手間のかかる即席、安物の高級品、危険な安全保障。こうして集めてみると、これは単なる遊びではなく、社会を透かし見るのに必要不可久なレトリックだという気さえしてくる。"
p.13





