
大皿
@zarabon
2025年6月21日

ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語
コルシカ,
品田遊
読み終わった
人間はドラマが生まれやすい"感情"に惹かれる生き物だと思ってたけど、ブラックの話聞いてると、いかにも筋が通った"論理"にこそドラマチックな魅力があるんだなあという気付きを得た。
正しさって理解しやすいから、ドラマになりやすいのだ。
人それぞれの考えだけだとお互いに芯から理解し合えないからこそ、道徳が生まれたんだなーとか、そういうことを読みながら考えた。
"子どもを生むことは、増やす罪深い行為かもしれないよ。でも結局「たかが罪」なんだよね。"
"ふつう、人は道徳のために生きようとはしない。(中略)
もしそんなことを本気で願っているとしたら、道徳を守りたいという以上に、そういうプロセスを経て世界を滅亡に導くことに執着しているように見えるね。"
"ボクたちは「人を傷つけてはいけない」というルールに合意したうえで社会の中で生きているけど、それ以上に重要な事実として「多少は人を傷つけたり、傷つけられたりしていく社会」で生きることにも合意してる。時にはそっちのの方が大切なんだ。"
グレーの主張って本人も言ってた通りあんま論理的じゃないけど、なんか"ぽい"んだよな。もしかしてひろゆきかもしれん。
あと、"もしもナイフによる加害の意味づけを変えて、被害者に「ナイフで切られてよかった」と思わせることができれば、被害者は被害者ではなくなる。"の一文を読んで、これってメンタル系の病気にも言えるのかもって思った。病気になって良かったなって思えたら、寛解なのかも。全然内容違うけど。
"もちろん、Bを幸福にするのじゃ。
AはBを「存在させるべきでない」にもかかわらず「存在させてしまった」。もはやその過ちについては取り返しがつかない。(中略)
ここが出生の罪に関する奇妙なところじゃ。「Bを出生させてしまった」という罪の償いが、「出生してよかったとBに思わせる」ことで為されるのじゃから。"
ここもよかった。人間は結局、親が育てるんじゃなくて社会が育てるんだよな(と、私は解釈した)。
ブラックとグレーとホワイトは絶対Twitterのアカウント持ってるな。