
もん
@_mom_n
2025年6月21日

ざらざらをさわる
三好愛
読み終わった
心に残る一節
@ 自宅
あたりが静まり返った夜中に、体育座りになってひっそりと読む。たまに遠くから電車の音が聞こえて、深夜に働いている人がいることを思う。
やさしい文体とたくさんの挿絵から童話のような親しみやすさを感じるが、物事への眼差しは鋭くて、読みながら何度もはっとさせられた。三好さんの生活を覗き見しつつ絵との向き合い方も教えてもらえて、軽やかだけれどとても読み応えがある一冊。
『おねがいリラックス』『ごはんは眠る』が特にお気に入り。
p.46
恋人にせよ家族にせよ、対象を抱きしめることは、それをどんなに愛情を持っておこなったとしても、短い時間ですが相手の動きをすっかり止めてしまうことでもあります。
p.108
私の知らないあいだにものすごい速さで移動してしまった私の体は、とろりと物憂く、兄はまだ寝ていて、父はハンドルを握り、母はまっすぐに前を向いていて、私は、あまりにも長く続くトンネルに恐ろしくなって、また、眠りました。
p.112
夏の始まりかけの、少し湿ったあたたかな夜に、駅から一番近いコンビニでアイスを買って、地面にポタポタと落ちない程度のスピードで食べながら、人通りの少ない方の道を家に向かって歩いていくのは、とてもいいものだと思います。

