山口慎太朗 "遠くまで歩く" 2025年6月22日

遠くまで歩く
遠くまで歩く
柴崎友香
読んでると突然「絶対殺す」みたいな勢いで思い出の洪水が襲ってきて目の前が真っ暗になる時間があり、その時の胸部の開き方ったらないというか、俺はもう全身が光っている気がする。油断して落涙なんかしてしまったらそのまま慟哭に移り変わって自我を保てなくなりそうなのでその最初の一滴を絶対にこぼさないようにすごい我慢しながら読んでいる。簡単に泣いてしまったらそのまま全部崩れてしまうのがわかる。熊本から東京に来てたくさんの人と会ってたくさんの人と別れてきたそれらを今はもうあんまり思い出したくない。耐えられないから。
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