
橋本吉央
@yoshichiha
2025年6月22日

しじんのゆうびんやさん
斉藤倫,
牡丹靖佳
読み終わった
詩を鑑賞するというのが、あまり得意でない自己認識があり、詩への理解を深めたいなという気持ちもあって買ってみた。
読んでみたら、とても良かった。
思ったのは、詩というのは、まさに誰かにあてた手紙であり、メッセージ・贈り物なのではないかということ。
詩に書かれていることの意味は読み手それぞれの解釈でとても自由度が高いが、それはそれで良くて、誰かが書いた、誰かに書いたということが大事なのではないか。その中で、受け取った人がその人なりの読み方で心に残ったり残らなかったりすればいい。
小説や散文は、もちろん読み手は大事だが、文章自体で一つの独立したものになっているのに対して、詩はもっと、書き手と読み手同士の感性がダイレクトにぶつかるようなものなのではないか、と感じた。
本書は、郵便局ではたらく二人の男が、ふとしたきっかけから街の人たちに詩を届けていくことになるお話だが、その話自体も、想像の余地を広げながら、あたたかい気持ちになって良かった。
