
ことりの本棚
@mi_pocket
2025年6月22日

汝、星のごとく
凪良ゆう
読み終わった
久しぶりに喉の奥がキュッとなった
不安定さのなかに潜む一本の信念に
ぐんぐん引き込まれていく
10代の淡い恋愛から、
30代の大人へと変わっていく男女の物語
「自分の人生を生きることを、他の誰かに許されたいの?」
「誰かに遠慮して大事なことを諦めたら、あとで後悔するかもしれないわよ。そのとき、その誰かのせいにしてしまうかもしれない。でもわたしの経験からすると、誰のせいにしても納得できないし救われないの。誰もあなたの人生の責任を取ってくれない」
「わたしは、わたしの矜持を守らなくてはいけない。」
主人公の暁海への瞳子さんの言葉は幾度も刺さる。
言葉の強さの裏にはその人の弱い過去がある
達観とでもいうべきか。
何をどう経験すれば、こんな物語が紡げるのだろうと思う。
ただの恋愛小説じゃなく、それぞれの生き方に重きをおいた物語なのかもしれない。
舞台が瀬戸内なのもいい。
しばらく余韻に浸っとこう。



