
とむ
@tom_books
2025年6月12日

私の好きな孤独
長田弘
読み終わった
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p.127-128
『その街を知らなければ、バスはうまく使えない。億劫な乗りもの。バスがそうでしかないならば、まだその街をよく知らないのだ。(中略)どんな乗りものよりもまず街の乗りものであるもの。バスは何よりそうした乗りものなのだ。バスには、街のどんな乗りものにもないような、独得の気分がある。街の気分といったもの。通ってゆく道筋の街の気分を、バスは敏感に呼吸している。』
p.172
『むこうから歩いてくるひとの手首で、腕時計が反射してキラリと光る。手錠の片っぽのように。』
p.182
『偶然、街の店で知ったひとに出会うと、なんとなく大事な秘密を知られたような気がして、思わず戸惑いを覚えてしまう。(中略)街の店は、誰でもいるが、誰もいない場所だ。見知らぬじぶんのいる場所である。』
p.260
『その歌を聴くとまずニューヨークの目玉焼きの話を思いだし、いつもきまって考えこんでしまう。平凡であたりまえのわれらの日々が、それでいて、どれほど奇妙でおかしな真実を、ほんとうはとっておきの秘密のように匿しているか、と。』
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孤独をテーマにした本を欲しているみたいです
自分を肯定して欲しいのだと思う
また素敵な本との出会いがありますように!