はぐらうり "トラジェクトリー" 2025年6月23日

トラジェクトリー
トラジェクトリー
グレゴリー・ケズナジャット
芥川賞候補。文學界にて読了。 単行本には短編も入っているようなので、それはまた。 さながら文学版「ロスト・イン・トランスレーション」。あの映画は好きではなかったが、この著者から見える日本は嫌いになれない。共感できるところが多々ある。日本人がみる、外国人からみた日本、を意図的に書いている可能性もあるけれど。 文体も落ち着いていて、読みやすく、違和感もない。母国語じゃないんだろうと思うので、これはすごい。 よく言われていた当事者性も十分にあり、この著者でないと書けない作品。英会話教室での出来事とか、ネイティブ同士の飲み会とか、目に浮かぶ。今回の候補作はまだ2作めだけれど、これは有力なのでは。
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