トラジェクトリー
49件の記録
はちむら@hatch-me2026年2月22日読み終わった芥川賞で「該当なし」という結果に終わった回の選考作。外国に来たけれど特にそこで何かを目指すでもなく、かと言って帰りたいという切望もなく…。正直言って大きなカタルシスを感じるストーリーでもなかったから、なんで作者はこの話を非母語で、かつ日本で出版しようと思ったのか不思議に思いながら読み切った。別に日本に来た外国人に限った話じゃないものね、この手のストーリー。
- やすごだ@yasu06112026年2月15日収録されていたトラジェクトリーのみ読んだ 安定しない気持ち、周囲の人やニュース、社会情勢に揺れ動いているような感じで、俯瞰的な文体で、かつ不思議な親近感が湧いた

hagi@y_hagi2026年1月24日日本の英会話学校で講師をするアメリカ人の話。「トラジェクトリー」は「軌道」とか「軌跡」の意味。 この作品も良かった。異なる文化や感性に接した時のどこか居心地の悪い、なんとも言えない感覚がリアルに書かれていると思った。私の学生時代のやや負に偏った感情などが思い起こされ、動揺した。 日記。朝は4時前に起床。コーヒーを淹れて飲む。ベーグルを食べる。ローラー3時間。朝食。(ここでいつものルーティンから軌道が外れ)日帰り温泉に久しぶりにに行く。休憩室で読書(『トラジェクトリー』読了)。靴下を片方失くす。昼食を食べ損ねて、家に帰って納豆と白米を食べた。
blue-red@blue-red2026年1月23日読み終わった単行本ダイスケが言う。「グローバルマインド」を持って「グローバルに活躍していく日本人」をサポートするのが英会話学校の任務だと。しかし、ブランドンのように大きな決心や特別な訓練もなく勧誘に乗って他国から移り住み、その日その日を変わり映えなく働く英会話学校の講師は、その「グローバル」的なるものをもう実現してしまっているのではないか? ちょっとした需要とビザなどの政策・制度がうまくかみ合えば、国を跨いだ働き方も意外とあっさり実現してしまう。 もっとも、その生活は、テッシュ配りをしたり、面倒な生徒の相手したり、同僚と愚痴ったり、とても地味だ。巷で喧伝される「グローバル」は、キラキラしてスタイリッシュでワクワクに満ちた何かを我々にイメージさせるが、それとは程遠い。けれども、こっちこそが実地で、世の中の「グローバル」の大多数はこんな感じだ。 人付き合いも、同僚や昔の友人と飲みに行ったり、母国の家族とオンライン通話したりするぐらい。「グローバル」という言葉が連想させる煌びやかな広がりはない。仲間である同僚とは二軒目まで飲みあかすが、面倒くさい生徒のカワムラさんとは二軒目には行かない。そこに他意はない。普通のことだ。 けれども、思いもよらず軌道はニアミスし、興味も無かったアポロ計画の詳細に付き合わされたり、文化的・地理的・年代的に生まれも育ちも異なるおじさんの人生の一片を深く知ることもある。「グローバル」が虚栄を超えて意味を持つならば、そんなニアミスにあるのだと思う
どうどう@toutoutoudo2026年1月6日読み終わったなぜか読めるか不安という先入観があったけど端正な文章で読みやすかった。世界の果てのような日本に来てみたけど世界の果てなんかじゃなかったし、孤独だし、将来への不安があるし、競争があるし、で揺らいでいた主人公が10年の年月を経て言葉を得て10年前に理解できなかったカワムラさんの言葉を理解する。ってことですかねうまく読み解けなかったかも。カワムラさんが口からじゃなく文章でのみ己を語っているのがよかった。小説なのでしょうがないけどカワムラさん文才が凄くてちょっと違和感に感じた。外国から来た人への情景が壊された。ブランドンの背景を見ていたカワムラさんと日本へ来たブランドンは同じだった?


ヒナタ@hinata6251412025年10月31日読み終わったばけばけ絡みで知った本(併録の「汽水」に小泉八雲の名前が出てくる)。表題作は芥川賞の候補になったそう。日本の大学で教鞭を取るアメリカ人の著者による日本語の小説。 二つの短編に共通するテーマはやはり「言語」で、英語/日本語だけでなく、それぞれの標準語/なまり、話し言葉/書き言葉にまで枝分かれし、言語というものがどれだけ深く個人の生活や記憶に根ざすのか、改めて考えさせられて面白かった


もん@_mom_n2025年9月4日読み終わった心に残る一節@ 自宅大好きな作家が"芥川賞はグレゴリーさんに獲ってほしかった"と言っていたのを聞いて読んだ。 外国で生まれ育った人が主人公の国内小説というのは新鮮で、淡々とした文章の中にある寄る辺なさにぐっとくる。書評を読んで理解を深めたい。 p.120 チャーリーは辺りの装飾を見回した。文化祭のデコレーションを思わせるちゃちな桜の木、観光ガイドの表紙のような浮世絵。日本らしいといえば日本らしい。だが実在する日本よりも、誰かが夢で見た日本を、目覚めた後で辛うじて残っていた記憶を辿りながら再現しようとしたみたいだった。


- mamo@reads_mamo2025年8月20日読み終わった淡々としているのに、切なさ漂う小説だった。母国を捨てたわけじゃ無いけど、文化の合間をさまよう人たちのそれぞれの背景、よくある何も無い少し廃れた街の事情。読後に心をなでる寂しさの風。



数奇@suuqi2025年8月3日読み終わったアメリカ出身で英語指導助手として日本に来た経歴を持つ著者ならではの視点で描かれた、ネイティヴの英会話教師を主人公とした話。使う言語によって人の印象が変わる感覚を鋭く描写した物語で、文体も内容もとても好みだったのだが、読み終えた瞬間「えっ、これで終わりなんだ」と思ってしまい、物足りなさを少し感じた。合わせて収録された『汽水』も主人公の境遇やテーマがほぼ表題作と同じで少し退屈に思えた。日本に住む外国人の、居場所を感じられない空虚感はとても良く捉えられていて、この作者にしか描けない独特の感覚はとても興味深く考えさせられる内容だった。





はぐらうり@hagurauri-books2025年6月23日読み終わった芥川賞候補。文學界にて読了。 単行本には短編も入っているようなので、それはまた。 さながら文学版「ロスト・イン・トランスレーション」。あの映画は好きではなかったが、この著者から見える日本は嫌いになれない。共感できるところが多々ある。日本人がみる、外国人からみた日本、を意図的に書いている可能性もあるけれど。 文体も落ち着いていて、読みやすく、違和感もない。母国語じゃないんだろうと思うので、これはすごい。 よく言われていた当事者性も十分にあり、この著者でないと書けない作品。英会話教室での出来事とか、ネイティブ同士の飲み会とか、目に浮かぶ。今回の候補作はまだ2作めだけれど、これは有力なのでは。




































