
ちょこれーと*
@5_ogd
2025年6月24日

小説言の葉の庭
新海誠
読んでる
『私は今、なにを失いつつあって、なにを得ようとしているのだろう。あるいは得るものなんかなに一つなく、誰かのことを損ない、自分もなおさらに失っていく過程なのだろうか。』
『まだなにも始まっておらず、しかし無ではなく、同時になにも終わっていない時間。純粋に善なる可能性だけがある、二度と訪れることのない美しく完璧な時間。もし神さまが人生でもう一度だけ繰り返してもいい、そんな日を与えてくれるとしたら、私はきっとあの光の庭を選ぶ。』
『晴れの日のここは、知らない場所みたい。たっぷりの寂しさを含んだ気持ちで、そう思う。』
雨の日と晴れの日では同じはずの庭園でも、表情がまるっきりガラッと変わる。
雨の日にしかお互いに会えない。
約束した訳ではないけれど、雨が降った日にこの庭園に来れば示し合わせたように会うことができる。
逆に言えば、この場所に来なければお互いに会う方法がない。
人と人との縁は簡単に切れてしまう繊細なもの。大切に大切にしなければと思った。
『だめだ。たまらなく誰かに会いたいのに、誰に会えばいいのかが分からない。誰が私と会いたいと思ってくれるのかが分からない。私には会いたい時に理由なく会える人が-友達と呼べるような人が、もしかしたら、誰もいない。社会人なんて案外こんな感じなのかもしれない、そう思おうとするけれど、それでもやっぱり絶望的な気持ちになる。』
