ゆらゆら
@yuurayurari
2025年6月24日

愛についてのデッサン
岡崎武志,
野呂邦暢
読み終わった
若き古本屋の店主・佐古啓介を主人公にした連作が、2時間ドラマばりに旅ありミステリーあり、淡い恋の要素もあり、何より詩集を中心に古本・文学への愛に溢れすごく良かった。後半収録の短篇5つは一転、不穏でざらりとした読後感で忘れ難い。佐古啓介ものの世界観がよすぎて、6作で終わりなのが寂しくて、誰か続きを書いて欲しいくらい。年末に読んだ短編集『白桃』収録の作品とも全然文体が違ったし、作家への興味がますます深まった。それにしても、復刊してくれた筑摩と岡崎さんには大感謝。他の作品も読んでいきたい。(25.1.9読了)
