露伴
@reality
2025年6月25日

生命式
村田沙耶香
読み終わった
今の世界秩序や倫理観で考えたらゾッとする「当たり前」を本書では淡々と登場人物全員が「普通だよね」と言った雰囲気で語るので、同調圧力を通して私も普通を受け入れて読み進める。
活字から、同調圧力を受けるという体験がもう面白い。
本書は極端な書き方で気味悪いが、死生観を変えるべきと私もよく考えるのでこんな世界だったら〜。と妄想を膨らませるのも充分に楽しんだ。
お葬式は暗くあるべきでない。悲しむべきでもない。
食べてもらって、生殖をしてもらって、次に繋げる。物理的には明るいが、感情的に受け入れ難い。
合理的に考えればありかもな〜と思ったりもした。
性行為が感情によるものではなくて、合理的な物になれば少しは気持ち悪さは薄れるのかも知れない。
本当の正しさなんてないのかもなあ

