露伴
@reality
- 2025年7月8日Tugumiよしもとばなな読み終わったまりあの視点(色眼鏡)を通してツグミを愛おしく見た物語。 読書後は、誰もがツグミの虜になり友達になりたいと必ず思うだろう。 しかし、語り手であるマリアも中々愛おしい。 少しでも色眼鏡が変われば、ツグミは狂人であり距離を取ろうと思う存在になるだろう。 姉の洋子の暖かく見る人がいて、マリアにも暖かさが感染して、ツグミが魅力的な存在として確立する。 洋子→マリア→ツグミ ツグミは最終的に気づいていたね、周りの人のおかげで生きていると。 素敵な人たちばかりで心がほっこりした。 私は純度100%の「善」を持ち合わせていないので 不器用で表層は「善」ではないけれども、本当は「善」だと私の見方が大事になるようなものの優しさに惹かれ、信頼する。 だから、私が大好きな優しさを描いていた本作最高でした。
- 2025年6月25日生命式村田沙耶香読み終わった今の世界秩序や倫理観で考えたらゾッとする「当たり前」を本書では淡々と登場人物全員が「普通だよね」と言った雰囲気で語るので、同調圧力を通して私も普通を受け入れて読み進める。 活字から、同調圧力を受けるという体験がもう面白い。 本書は極端な書き方で気味悪いが、死生観を変えるべきと私もよく考えるのでこんな世界だったら〜。と妄想を膨らませるのも充分に楽しんだ。 お葬式は暗くあるべきでない。悲しむべきでもない。 食べてもらって、生殖をしてもらって、次に繋げる。物理的には明るいが、感情的に受け入れ難い。 合理的に考えればありかもな〜と思ったりもした。 性行為が感情によるものではなくて、合理的な物になれば少しは気持ち悪さは薄れるのかも知れない。 本当の正しさなんてないのかもなあ
- 2025年6月25日世界99 上村田沙耶香読み終わった誰にでも複数あるペルソナに、若き人は悩まされる。 「本当の自分ってなんだろう?本当の自分なんてないのではないか?」 自分探しという言葉が当たり前に使われる今の時代は特にこの悩みが多いのでは、、。 そんな抽象的でなんかしっくりこないペルソナを 世界1、2…99。と表現した本書。 「嫌われたくないから人に合わせる、だから誰とでも割と衝突せず話せるし嫌いな人もいない」 とだけ思っていたけれど 本当は「呼応」することで楽に生きて 上手く人を支配している側面も自分にあったかも、、と傷をつけられた。 読んでいて不快、苦痛であるのに どこか自分の生きてきた中で解決できないと諦め心に蓄積されてきた問いに、名前をつけてくれるのではないかという大きな期待が上回りページを捲る手が止まらなかった。
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