生命式

31件の記録
- Björn och Tiger@bjorn_och_tiger2025年7月4日読み始めた松本行きのかいじで読む。何年か前に同じように松本行き特急で、村田沙耶香の『無』を読んだ。脳内マップ上で東京タワーと無が強固に結びつき、旅行より鮮明に記憶に残ってしまった。今回は「追加の山本」で記憶されそう。 旅の一食目はホットドッグ。
- 露伴@reality2025年6月25日読み終わった今の世界秩序や倫理観で考えたらゾッとする「当たり前」を本書では淡々と登場人物全員が「普通だよね」と言った雰囲気で語るので、同調圧力を通して私も普通を受け入れて読み進める。 活字から、同調圧力を受けるという体験がもう面白い。 本書は極端な書き方で気味悪いが、死生観を変えるべきと私もよく考えるのでこんな世界だったら〜。と妄想を膨らませるのも充分に楽しんだ。 お葬式は暗くあるべきでない。悲しむべきでもない。 食べてもらって、生殖をしてもらって、次に繋げる。物理的には明るいが、感情的に受け入れ難い。 合理的に考えればありかもな〜と思ったりもした。 性行為が感情によるものではなくて、合理的な物になれば少しは気持ち悪さは薄れるのかも知れない。 本当の正しさなんてないのかもなあ
- 猫@mao10122025年6月19日読み終わった世間一般の『正常』に抗って己にとっての正しさ、快感、自由を得ようとしている登場人物たち。 途中で少し具合が悪くなるくらいには、色んなものが闇鍋みたいに詰め込まれていて消化するのが大変だけれど、読んでいてそれが楽しい。最後の話は平野啓一郎の『分人主義』にも通ずるものがある。他者にみせている様々な顔も結局は全て『統合』されたひとつの自分なのだと思う。
- 鯨るか@cugiraluca2025年4月23日読み終わった食や性を通して生を内視させる短編集。トリッキーな切り口だけど切実。私は「魔法のからだ」が一番ピンときた。「誰かが作った「いやらしいもの」の話をしているだけで、自分の身体の中のいやらしさを、きちんと育てていない」(p.148)人がとても多いと私も感じる。「うーん、うまく説明できないけど……それがセックスだってことまでは、あんまり考えてなかったんだ。抱き合っているうちに、彼の皮膚の内側に行きたくなったの。それだけ」(p.145)もちろん妊娠や感染症については熟慮すべきだけど、性はいつも純粋で真剣であって欲しい
- 森@mori162025年3月13日少し読んだダ・ヴィンチの村田沙耶香特集を見て借りた。 最初の一編「生命式」と、最後の一編「孵化」を読んだ。 生命式 主人公が人肉を食べる世界についてけなかった前半のネガティブな描写にも、世界に馴染んでいくにつれてポジティブなる描写にも共感する。価値観がゆらゆらと動く。倫理観のおぼつかなさ。 孵化 あるある、わかるわかるとなる現象なのに、主人公に隔たりを感じてしまう。 本当の自分がない。性格がない。相手の望むままのキャラを、素で生きられる。すごく器用で、羨ましいとも思う。
- Zh@g__j__r__2025年3月8日かつて読んだ読書好きの友達と書店を見ていた時に買ったやつ。 村田沙耶香さんの作品で描かれる世界、登場人物はみな自分の知る正常・常識からは離れている。 何が正しいのか、正しさとは何のためにあるのか、心地よく揺すられる感覚が気持ち良い。
- 夏しい子@natusiiko2025年3月8日かつて読んだ文学で救われるという話をたまに聞く。 私にとって読んで「救われる」「癒される」と感じたのがこの本だ。 世にも奇妙な物語や笑ゥせぇるすまんだと、おかしな物語の最後はとんでもないバチが当たったかのようなバットエンド。 けれど村田沙耶香さんの小説は、そのままイイ感じで日常が続いてくれる終わり方で、そこが安心できる。 「変わっててもいいんだよ」 「みんなと同じじゃなくてもいいんだよ」 と安心感をくれる。 この「生命式」はどの話も良かったが、特に「二人家族」と最後の「孵化」が良かった。
- haru_68@haru_682024年10月5日読み終わったNo.9 (2024年9冊目) 『生命式』 村田沙耶香 ✒︎ ___________________________________________ 個人的には興味をそそられる世界観! 楽しみながら、気味悪く感じながら 読ませていただきました^ ^ できれば『生命式』で一冊書いて欲しかった、、、
- まお@mao_ssss2023年9月22日読み終わった正直、とても気持ちが悪いと思った。それは本能的な拒否反応で、わりと倫理に対して寛容だと思っていた自分にもそういう正義感があったのかと気付かされた。「食べる」ことが主なテーマとして出てくる。私は手を洗わないと食事をしたくない。そういう人にこそ読んでほしい。