
stern
@ch3rry_luv
2025年6月25日

国宝 上 青春篇
吉田修一
読み終わった
映画だと喜久雄は本当にただただ芸に執着していて、自ら独りになっていっていた印象だった。でも小説では徳次やマツのことを大事に思っていて、さらには市駒や綾乃のことも気にかけていて、喜久雄の優しさに触れられた気がした。
喜久雄が地方巡業だけでなく、映画にも出演することで少しでも歌舞伎に出演したいという強い思いで酷い仕打ちを受け続けても投げ出さずにいたのは、絶対的な味方がいるという安心があったからではないか。
でもやっぱり、父親であり師匠だと思っていた白虎の最期に俊介の名前を叫ばれた喜久雄は心締め付けられる。1番認めてもらいたかった人に見てもらえなかったのは辛い。


