
堺屋皆人
@minahiton
2025年6月25日

漱石先生の事件簿 猫の巻
柳広司
読み終わった
audible
2025年
ミステリ
落語を聴いてる気分でクスッと笑える。Audibleでぜひ!
タイトルは『漱石先生の』とあるが、『吾輩は猫である』のパスティーシュ。
『吾輩〜』に描かれたエピソードの裏側や隙間を埋めるような事件を、書生の〈僕〉が解き明かすという日常の謎の連作物語になっている。
事件の内容も、原典のエピソードや人物を変えずに「なるほど」となるのが流石。
元々『吾輩〜』自体が漱石周辺の人間をモデルに書かれた話なので、この話の〈先生〉は漱石と苦沙味先生、どちらを想像しても読める。(もちろん脚色されたフィクションとして)
『吾輩〜』を読んでからだと2倍楽しいが、この作品だけでも面白いので、この本を読んでから『吾輩〜』を読むのもアリ。
漱石自身や周辺の人間関係を知っていると、モデルになった人物と比較できたりして、3倍楽しい。
遠出の共にAudibleを聴いたのですが、ナレーターの方がとても良くて、登場人物の演じ分け、軽快な文体にマッチした絶妙な語りのテンポ、大変心地よく、ふふっとなりながら聴かせていただきました。楽しい時間をありがとうございます!


