ちょこれーと* "小説言の葉の庭" 2025年6月27日

小説言の葉の庭
孝雄の母、秋月怜美のパート。 「今の若い子って、なんだか妙に他罰的なのよ。自分を差し置いて他人にはやけに厳しいの。自分がどれだけ他人から許されて生きてきたかは省みないで、それなのに道徳とか倫理とか、へんに常識的な振る舞いを人には要求するの。プライドは高いくせに承認欲求に飢えてて、そのくせ他人の価値は認めたがらないの」 そうそうその通りと思いながら読んだ一文。そう思いながらも自分もそういう行動を取っていないか?と行動を顧みてみると人ごとではない気がしている。 『常識』とか『当たり前』とかを無意識に他人に押し付けて、そこから外れた人を排除しようとする。他人の価値を認めること。共存。大事。 『リスクを避けるとか、人生の可能性を残すとまか、そういう考えは気づけば消えていた。そしてあれからずっと、私は旅を続けている。飛行機にも船にも乗らないけれど、市営バスの座席で、病院の待合室で、大学の食堂で、国産のワンボックスの運転席で、誰もいない高架下で、私の旅は続いている。そうやってずいぶん遠くまで、私も来たのだ。』 移動範囲は限られていようとも、人生という旅はずっと続いている。そしてこれから先も生きている限りずっと続いていくもの。自分が歩んできた後ろに道ができると言う。これまでの旅路はどんなものだったか?これからの旅路はどんなものにしたいか?
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