加非 "どうせそろそろ死ぬんだし" 2025年6月27日

加非
加非
@chioneko
2025年6月27日
どうせそろそろ死ぬんだし
余命僅かな人々が集まった館で、人が死んだ。 これは自然死だろうか、それとも他殺だろうか。 しかし、他殺なら犯人は何故そんなことを? だって被害者は余命僅か。放っておいても、どうせそろそろ死ぬんだし……。 印象的なタイトル、興味を唆るあらすじ。 しかし、結果としては、全く面白く無かった……。そして、何より読みにくかった。全く誰にもオススメ出来ない。 小説には、オチや背景を知っていれば意味の分かる文章、見え方が変わる文章というものが存在する。 よくある 二度読みたくなる 系の小説で用いられる手法だ。 しかし、読んでいる側からすれば「どういう意味?なんか読みにくい……」となりがちなものでもある。 とはいえ、数が少なればそこまで気にはならないし、質が高ければ引っかかりもしない場合もある。 しかし本作はこういった文章が、質の高くないレベルで何度も登場する。 実は前作があり、重要な情報を自分は知らないままに読み進めているのではないか?と調べてしまうくらいに。そのため、非常に意味を理解しづらく、読んでいてストレスが溜まる。 とはいえ、仕掛けが秀逸なら、ストレスは解放されカタルシスにもなる。 しかし、本作にはそれがない。何故なら、トリックに全く関係のない仕掛け、もしくは見え透いている展開しか用意されていないからだ。 つまり、溜め込んだストレスに行き場はない。時間をかけて不満に変換されるだけだ。 他にも感情移入出来ない意味不明な登場人物や、それが言いたかっただけなのでは?と思えてしかたない普通なオチとか、言いたいことは沢山あるが……これくらいにしておきたい。
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