
gato
@wonderword
2025年6月27日
The Notebook
Roland Allen
読み終わった
なんとか今月中に読み終わった……。
ノート/手帳/日記などが西洋史のクリエイティヴにもたらした影響を探るというテーマは面白いのだが、現存の人たちに取材した後半はなんとなくプロモーションっぽい。
内容的にどうしても先月読み終えたAdam Smythの『The Book-Makers』と比較せずにいられない。『The Book-Makers』のほうはイングランドの印刷史を取り扱うと断った上で、西洋中心主義や男性中心主義、移民技術者とアマチュアの軽視など従来の史観に対する批判的な視点からのツッコミが入って気持ちよかった。
この『The Notebook』には、そうした問いかけはほとんどなかった。フェミニズム文学史における日記やノートの重要性にはたった一段落触れただけ。これは正直がっかり。
『The Book-Makers』の著者は大学の研究者で、『The Notebook』のほうは元書籍メーカーの営業担当だというライターなので、先行研究に対する造詣の差がモロにでた感じ。ビジネスマンならではの商業的な視点が散りばめられているのは、普段そういう本を読まないので新鮮で面白いところもあった。


