
oto
@sakana__books
2025年6月27日

赤と青とエスキース
青山美智子
読み終わった
『黄色い家』の反動で癒しを求めて青山さん
絵画とか芸術には疎いから難しいかな…と思ってたらそんなこともなく、ただただ感動でいっぱいの作品だった。
オーストラリアのメルボルンである1枚の絵が描かれてから約30年を巡るお話。
4章の連作短編。全ての章が赤と青をモチーフにしたタイトルになっていて、物語中にも登場するのですごく色彩豊か。
どの章にも同じ絵が登場して、時が経ってもずっと持ち主の(時にはその絵を見る人の)人生に寄り添っているのがすごく良かった。まさに絵は死なない。
なぜ赤と青なのか、第4章の最後の4行で全てが繋がり鳥肌がたったし、エピローグで答え合わせをしたところで、なんて切なくてあったかい話なのだろうかと、胸がいっぱいになった。
はじめはその章の主人公に心打たれ、2度目は2人の男女の人生に心温まる。
短編としても長編としても楽しめる、2度読み必至な作品でした。




