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2025年6月28日

拳闘士の休息 (河出文庫 シ 7-1)
トム・ジョーンズ
心に残る一節
『白い馬』という短編。
「この地球上の誰もかれもが、自分自身でさえが、吐き気がするほど嫌だったーしかし、この白い馬だけは、どうにかして苦しみから救ってやりたかった。おのれ自身と二日酔い以外に意識を集中させるべき対象があるということに、ふいに彼は救われたような気持ちになった。」
記憶を失った徘徊症の広告屋がムンバイのビーチで出会う年老いた白い馬。魔法のような瞬間と、そこにある救われたような気持ち。こういう”無然”を描いた短編が読みたいのだ。


