
Anna福
@reads--250309
2025年6月28日

マイ・アントニーア (文学シリーズ lettres)
ウィラ・キャザー,
佐藤宏子
読み終わった
津村記久子『やりなおし世界文学』、近藤健児『世界文学全集万華鏡』で紹介されていた作品。
語り手はハーヴァード卒の成功した弁護士ジム。祖父母、近隣のボヘミア移民一家、北欧やロシアからの移民達の開拓時代の暮らし。
繊細で美しい情景描写が素晴らしい。特にウクライナの森で人間として究極の選択をしたロシア人のエピソード、アントニーアの父の事…祖父母との牧場時代の章がとても印象的。
ジムの郷愁と広大な自然に包まれた、逞しく生きる開拓者の女達の物語とも言えるのでは。
子供時代の郷愁は、カポーティの『草の竪琴』を思い出させる。
