JUMPEI AMANO "生き物の死なせ方" 2025年6月28日

JUMPEI AMANO
JUMPEI AMANO
@Amanong2
2025年6月28日
生き物の死なせ方
第5章の主役はヤマビル。ぞわぞわする描写も多いけれど、かなり面白い。 〈ヤマビルは所有者の意図に関係なく入ってきて、そこに居座ってしまう。そうなれば人びとは、自分が主導権を握っているのか判別しがたい曖昧な場所においてふるまう術を編み出していかざるを得ない。これが「共存共栄」の術であり「庭を譲る」ということでもある。〉(177-178頁) しかしそれでも「殺さざるを得ない」ヤマビルの「駆除」の現場では、何が起きているのか。 章タイトルにも「殺す手ごたえ」とあるように、〈効率のよい根絶、あるいは皆殺しへの誘惑は存在する〉(194頁)けれども、薬剤を使用せずに手で殺す人びとの「経験知」(187-189頁)がなかなかにすごい。 〈ヒル採りとは被害ではなく加害において思考し、試行する経験にほかならない。[...]ヒル採りを通して人間は変わる。〉(195頁)
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