
こここ
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2025年6月28日

ことばと思考
今井むつみ
読み終わった
認知心理学の立場から、言語の違いが人の思考に違いを与えているのか、また、ことばの獲得が子供の思考に与える影響などを、文法性や可算名詞の有無や動詞の数などの違い等、様々な調査・実験を通して検証している。
面白いと思ったのは、モノの位置関係や動きを見せる実験で、ことばを獲得する前の赤ちゃんは母語が異なる赤ちゃんでも同じ反応を示すが、ことばを獲得するにつれ母語の概念やカテゴリーに合わせた反応を示すようになっていく話だ。母語にないカテゴリーの視点は切り捨てられていくように見える。
著者はウォーフ仮説(言語によって認識に違いがあるとする)をある程度正しいとしつつも、「相互理解が不可能なほどの違い」としてはならないとしている。
「様々な言語のフィルターを通した様々な認識の枠組みが存在することを意識すること」
世界は単純ではなく、白黒つけるのは不可能である。







