ことばと思考

12件の記録
- こここ@continue_reading2025年6月28日読み終わった認知心理学の立場から、言語の違いが人の思考に違いを与えているのか、また、ことばの獲得が子供の思考に与える影響などを、文法性や可算名詞の有無や動詞の数などの違い等、様々な調査・実験を通して検証している。 面白いと思ったのは、モノの位置関係や動きを見せる実験で、ことばを獲得する前の赤ちゃんは母語が異なる赤ちゃんでも同じ反応を示すが、ことばを獲得するにつれ母語の概念やカテゴリーに合わせた反応を示すようになっていく話だ。母語にないカテゴリーの視点は切り捨てられていくように見える。 著者はウォーフ仮説(言語によって認識に違いがあるとする)をある程度正しいとしつつも、「相互理解が不可能なほどの違い」としてはならないとしている。 「様々な言語のフィルターを通した様々な認識の枠組みが存在することを意識すること」 世界は単純ではなく、白黒つけるのは不可能である。
- すなまち@suna_mathi2025年4月14日読み終わったことばが思考に影響する、という考えばかり持っていたので、異なる言語話者であっても根源的に同じものごととしてカテゴライズする概念がある、というのは発見だった。 赤ちゃんの思考がことばの学習に伴ってどう変容していくのかも面白いトピックだった。日本語での思考では知覚できなくなっているであろう何かをフラットに見聞きしている我が子、じっと繊細に観察しよう。 「ことばと思考」というテーマだから異なる言語を学ぶことで世界を異なる方法で切り取ることができるようになるというまとめだったけど、もっとミクロに言うとそれは他人の知覚を知り、寄り添うことで自分以外の考えや価値観を知る、ということだ。大人の社会はもとより、子どもが世界をみて学んでいく様子も追いかけて、新鮮に世界を見つめなおしたい。
- すなまち@suna_mathi2025年3月29日読んでる赤ちゃんの思考に関する章が面白い。この本の主題とは少し離れるところもあるけど、うちの赤子がどう世界を認識しているのか観察したくなる👀 ・赤ちゃんは小さい数や大まかな量なら違いを認識できる。成長につれて、ことばと正確な数を対応づけられるようになる(ただし大きな数を示すことばが存在する言語において) ・「同じ」と認識したものには馴れて興味を示さなくなる。「違う」と認識すると注意が戻る ・低月齢の時は「違う」と認識していた物事であっても、母語がその物事を「同じ」と分類していると、母語に触れるうちに違いを認識しなくなる ・子どもは「モノそのもの」の違いは認識できるが、モノ同士の位置関係など「関係」を認識するのは難しい。上下前後左右など、位置関係を表すことばを学ぶと「関係」という抽象的な思考ができるようになる。