
LUCiA
@gogo
2025年6月28日

国宝 下 花道篇
吉田修一
読み終わった
上下巻読了。映画をみた人に映画を勧められ、迂闊にも泣いてしまったと聞いていたが、私もこの本の最後に迂闊にも涙が出てしまった。読み終わってしばらく時間が経っても、ふと最後のシーンを思い出すと泣けてくる。
このお話って、新聞連載だったのだろうか?全然知らんのやけど。とにかく次々と事件と言うか問題というか、主人公たちがちょっと落ち着くとすぐになにか問題が起こる。落ち着くとまた何か起こる。すごいわ。長崎弁、関西弁、関東弁と方言の使い分けも面白い。
最後の方、いよいよクライマックスへの助走、ここが何とも言えない不思議な表現になっている。それまでは文章による描写によって場面を想像できていた。だが、本当に終わりかけてくると、その描写がうまく頭の中で再現できない。分かるんやけど、いや、分かってないかもしれん。その再現の仕方は読者によって違うだろうな、と。名人、国宝級ともなるともう常人の想像の範囲を超えた、と言うことなのだろうか。
そして、その最後のシーン。さりげなくクライマックスがスタートした。女形らしく静かに狂っていく。主要登場人物をじわじわと集合させながら。
その以前に名女形とされた登場人物とは違った最後だが、芸の極みが長じるとこんなにも恐ろしくも美しくもなるのか。ま、死ぬ訳ではないけど涙が出る。
このシーン、映画ではどうなっているんだろう。本を読んでる間、YouTubeのおかげでそれぞれの登場人物は、それぞれの俳優の顔で私の頭の中にいた。来週末に映画を見に行く予定だけど、楽しみなような、恐ろしいような。




LUCiA
@gogo
7/5(土)
友人と映画『国宝』を見に行く
久しぶりに歌舞伎を見に行った感覚
先に読んだ本のあの場面はどうなってる?とワクワクしながら見た
2時間に圧縮するための工夫が随所にみられる
主役の美しさがじわじわ沁みてくる
女形に扮装時の本当に女性のような美しさ
立役に扮装時の実は女性なのでは?と思わせるような美しさ
素顔に着物姿の、あぁこの人は女形なのだなと思わせる立居振る舞い
監督からの大抜擢に応えている
歌舞伎の演技も素晴らしい
最後は原作の表現とは違うが、原作の主人公の心象は表現できたのではないかな
Netflixの連ドラにして原作に忠実にしたらどうなるのだろうかと思わずにはいられない
2時間だからこその美しさなのだろうか